コストコの肉でステーキ|塊肉の切り方と厚切りの焼き方を精肉主任が解説

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豚くん

コストコの塊肉って安いのはわかるけど、家でステーキにできるのかな…

ジョニー

できますよ。切り方と焼き方さえ外さなければ、スライス済みより断然おいしく仕上がります。

コストコの精肉コーナーには、ステーキ向きの塊肉が大きなパックで並んでいます。

ただ量が多いぶん、「切り方を間違えたら全部台無しになるのでは」と手が止まりますよね。

同じ塊肉でも、繊維の向きを外して切れば硬くなり、厚みに合わない火加減で焼けば中まで火が入りません。裏を返せば、その2つさえ押さえれば家庭のフライパンでも十分な仕上がりになります。

この記事では現役の精肉部門主任として、コストコの塊肉をステーキに切り分ける手順と、厚切りの焼き方を順番に解説します。

目次

コストコの肉でステーキを焼くなら塊肉が向いている理由

コストコにはカット済みのステーキ肉も並びますが、ステーキを主役にしたいなら塊肉のほうが有利です。理由は大きく3つあります。

厚みを自分で決められる

カット済みのステーキ肉は厚みが決まっているため、焼き加減の自由がききません。

塊肉なら、その日の献立に合わせて薄めにも極厚にも切り分けられます。厚みを自分で決められることが、塊肉の一番の利点だと考えています。

同じ部位でも100gあたりの単価が下がりやすい

精肉の現場では、カットやトレー詰めの手間がそのまま単価に乗ります。

塊のまま売られている商品は、その工程が省かれているぶん100gあたりの単価が抑えられる傾向にあります。手を動かす対価を自分で引き受ける、という考え方です。

ステーキ以外の料理にも回せる

塊で買えば、ステーキ用に厚く切った残りを角切りや薄切りに変えられます。

筋が多い端の部分はカレーやシチューへ、きれいな中心部はステーキへ。1つのパックで用途を分けられるので、量の多さがデメリットになりにくくなります。

コストコで買えるステーキ向きの肉・塊肉の種類と特徴

コストコの牛肉は主にアメリカ産で、USDA(アメリカ農務省)の格付けが表示されています。上位が「プライム」、その下が「チョイス」という並びです。

取り扱う商品は店舗や時期によって入れ替わりますが、ステーキ向きとしてよく見かけるのは次のあたりです。

部位特徴ステーキ適性
肩ロース(チャックアイロール)赤身と脂のバランスが良く、塊で大きく出る厚切り向き
ミスジ(トップブレード)肩の希少部位。中央に太い筋が1本通る薄めのカット向き
リブロース・リブアイサシが入りやすく脂の甘みが強い厚切り向き
ランプ・イチボなどの赤身脂が少なく肉の味が濃い中厚カット向き

肩ロースのかたまりは万能で扱いやすい

コストコの塊肉で名前が挙がりやすいのが、USプライムビーフの肩ロースかたまりです。

肩ロースは中央に白い筋(肩ロース芯の境目)が走っていて、その上下で繊維の流れが変わります。上側はいわゆる「ザブトン」と呼ばれる部分で脂が乗り、下側は細かい筋が増えていきます。

ステーキに使うなら、筋の少ない側を厚めに、筋の多い側を薄めか煮込みに回すのが現実的です。

ミスジは筋を避けて切るのが前提

ミスジは肩まわりの希少部位で、中央に葉脈のような太い筋が1本通っています。

この筋は加熱してもやわらかくなりません。厚く切るとその筋がそのまま口に残るため、ミスジは1cm前後の薄めに切って、筋を横切るように包丁を入れるほうが向いています。

価格は変動するので必ず店頭で確認する

牛肉の相場は為替や輸入量で動くため、同じ商品でも数か月で単価が変わります。

価格や取り扱いは時期によって大きく変わるため、購入前に必ず店頭または公式サイトで最新の情報を確認してください。この記事では価格の断定は避け、選び方と扱い方に絞って解説します。

コストコの塊肉からステーキを切り出す方法

ここが仕上がりを左右する工程です。切り方を外すと、どれだけ良い肉でも硬く感じます。

順番に見ていきましょう。

手順1:繊維の向きを見極める

肉の表面をよく見ると、細い線が同じ方向に流れています。これが筋繊維の向きです。

ステーキ用に切るときは、この繊維に対して直角に包丁を入れます。繊維を断ち切ることで一本一本が短くなり、噛んだときにほぐれやすくなるためです。

逆に繊維と平行に切ってしまうと、長い繊維がそのまま束で残ります。同じ部位なのに「今日は硬い」と感じる原因の多くは、実はこれです。

なお肩ロースのように、1つの塊の中で繊維の向きが途中で変わる部位もあります。塊を一度に切り進めるのではなく、向きが変わる境目でいったん塊を分け、それぞれ向きを見直してから切るのが確実です。

切る方向の見極めは、文字よりも動きで見たほうが早く理解できます。

そもそもコストコでどの肉を選ぶか迷っている段階なら、おすすめ商品を一覧でまとめた記事も参考になります。

手順2:厚みを決める

厚みは好みですが、家庭のフライパンで扱うなら基準を持っておくと迷いません。

2〜3cmが家庭で一番失敗しにくい厚みです。表面に焼き色を付けている間に中心温度が上がりすぎず、レアからミディアムのあいだで止めやすくなります。

4cmを超える極厚に切るなら、フライパンだけで仕上げるのは難しくなります。オーブンや余熱を組み合わせる前提で考えてください。

脂が少ない赤身の部位は、厚くしすぎるとパサつきが目立ちます。ランプやイチボなら2cm前後に抑えるほうが無難でしょう。

部位ごとの向き不向きをもっと細かく知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

手順3:筋とスジ膜を処理する

塊肉の表面には、白く薄い膜が張っていることがあります。これはスジ膜と呼ばれる結合組織で、加熱すると縮んで肉を反らせます。

包丁の刃を寝かせて膜と肉のあいだに差し込み、引くように削ぎ取ってください。

内部に走る太い筋は取り切れないので、その場合は筋を横切る向きで切るか、切り分けたあとに赤身と脂の境目へ数か所包丁目を入れて縮みを防ぎます。深く入れすぎると肉汁が逃げるので、刃先が入る程度にとどめます。

それでも硬さが気になる部位は、下ごしらえでやわらかくする手もあります。

手順4:冷たいうちに切る

切り分け作業は、肉が冷えている状態で行ってください。

常温に戻った肉は身がゆるみ、包丁が滑って断面が波打ちます。冷蔵庫から出してすぐ、あるいは30分ほど冷凍庫で表面を締めてから切ると、厚みが揃った断面になります。

包丁は刃渡りの長いものを使い、押し付けずに手前に引いて切ります。前後に細かく動かすと繊維が潰れ、焼いたときに肉汁が抜けやすくなります。

コストコの厚切りステーキの焼き方

切り分けたら、次は火入れです。厚切りは薄いステーキとまったく別の焼き方になります。

工程ごとに整理していきます。フライパンで焼くときの基本は、こちらでも詳しく解説しています。

焼く前の準備

冷蔵庫から出して常温に戻します。目安は30分〜1時間、3cm前後の厚切りなら1〜2時間ほど見ておくと中心まで冷たさが抜けます。ただし夏場の室温では傷みが早いので、短めに切り上げてください。

焼く直前に、表面の水分をペーパーでしっかり拭き取ります。水分が残っていると蒸気が出て、焼き色が付く前に肉が白くなってしまいます。

塩は焼く直前に、両面へまんべんなく。厚切りは中心まで味が届きにくいので、薄切りのときより気持ち強めで構いません。

強火で焼き色、弱火で火入れ

フライパンをしっかり熱してから肉を置き、動かさずに焼き色を付けます。ここは強めの火で、片面1〜2分が目安です。

両面と側面に焼き色が付いたら、火を弱めて中心に火を通していきます。厚切りを強火のまま焼き続けると、外側だけが焦げて内側が冷たいままになります。

厚みごとの目安は次のとおりです。あくまで基準なので、フライパンの材質や火力で調整してください。

厚み焼き色(強火)火入れ(弱火・両面計)
2cm前後片面1分2〜3分
3cm前後片面1分30秒+側面4〜6分
4cm以上全面に焼き色オーブンや余熱を併用

焼き上がりの見分け方

肉の表面を指で押すと、火の入り具合がおおよそ分かります。

押し返しがほとんどなく柔らかければレア寄り、軽く弾力が返ってくればミディアム、しっかり硬く感じるならウェルダンに近づいています。

確実に見たいなら調理用温度計が早いです。中心温度で50〜55度がレア、55〜60度がミディアムレア、60〜65度がミディアムのおおよその目安になります。

休ませる時間を必ず取る

焼き上がった肉は、すぐに切らずに休ませてください。加熱直後は肉汁が中心に押し込まれた状態で、そのまま切ると皿に流れ出てしまいます。

休ませる時間は、焼いた時間と同じくらいが目安です。3cmの厚切りで5分前後、薄めなら2〜3分といったところでしょう。

アルミホイルで軽く包むか、温めた皿に乗せて余熱を保ちます。ぴったり密閉すると蒸れて焼き色がふやけるので、ふんわりかぶせる程度にとどめます。

厚切りの火入れの流れは、動画で見ると全体像がつかみやすくなります。

豚くん

切り方と休ませる時間だけで、こんなに変わるんだね。

硬い・臭いと感じたときの原因と対処

輸入牛のステーキで多い不満が「硬い」と「臭い」の2つです。どちらも原因がはっきりしています。

硬いと感じるとき

原因は主に3つ。繊維と平行に切っている、脂の少ない赤身に火を入れすぎている、休ませずに切っている、のいずれかです。

切り方と焼き方を見直しても硬さが残るなら、下ごしらえで対処します。切り分けたあとに玉ねぎのすりおろしや塩麹に30分ほど漬ける、包丁の背で軽く叩いて繊維をゆるめる、といった方法があります。

臭いと感じるとき

牧草中心で育った牛は、赤身の鉄分や飼料の影響で独特の香りが出やすくなります。日本人が慣れている和牛は穀物を長く与えるため、この香りが弱いのです。

香りが気になるときは、切り分けた肉を牛乳に20〜30分ほど浸してから水気を拭き取ってください。牛乳のカゼインというたんぱく質が、においの元になる成分を吸着してくれます。

にんにくやローズマリーなど香りの強い素材と一緒に焼くのも有効です。ただし、粘りやすえたにおいがある場合は劣化のサインなので、無理に使わず処分の判断をしてください。

切り分けて余った分の扱い方

コストコの塊肉は一度で使い切れないことがほとんどです。

買った当日のうちにステーキ用へ切り分け、その日に食べない分は1枚ずつラップで包んで冷凍します。空気に触れる面積を減らすほど、酸化や乾燥を抑えられます。

筋の多い端材は角切りにして別袋へ。カレーや煮込みに回せば無駄が出ません。

解凍は冷蔵庫でゆっくり戻すのが基本です。急ぐと肉汁(ドリップ)が流れ出て、旨みが落ちます。

よくある質問

よくある質問

コストコの塊肉とステーキについて、質問の多い項目をまとめました。

コストコの塊肉はどのくらい日持ちしますか?

パックに表示された消費期限が絶対の基準です。塊のまま置いておくより、購入した当日に切り分けて冷凍したほうが状態を保てます。

ステーキ用に切るなら何センチが良いですか?

家庭のフライパンなら2〜3cmが扱いやすい厚みです。脂の少ない赤身は2cm前後、脂の乗った肩ロースやリブロースは3cm前後を目安にしてください。

筋切りは必ずしたほうがいいですか?

部位によります。表面の白いスジ膜は削ぎ取ってください。内部の筋が太い部位は、筋を横切る向きに切るか、赤身と脂の境目へ浅く包丁目を入れると反り返りを防げます。

まとめ

この記事のまとめ

コストコの肉でステーキを焼くなら、押さえる点は多くありません。繊維に対して直角に切り、厚みは2〜3cmにそろえる。強火で焼き色を付けたら弱火で火を入れ、焼いた時間と同じくらい休ませる。この流れを守れば、家庭のフライパンでも十分な一枚に仕上がります。

ジョニー

塊肉は切り方で味が決まります。まずは繊維の向きを見るところからどうぞ。

コストコの塊肉からステーキを切り出し焼く方法を解説する記事のアイキャッチ

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