豚くん明宝ハムと明方ハムって、どっちがどっちだか分からなくなるんだよね…。名前も見た目もそっくりで。
ジョニーそっくりですが、作っている会社から違いますよ。原材料表示を見ると、もっとはっきりします。
岐阜のお土産として有名な明宝ハム。買おうとして、隣に並ぶ「明方ハム」で手が止まった人は多いと思います。
どちらも国産の豚もも肉を使ったプレスハムで、見た目もよく似ています。ただ、作っている会社は別です。さらに「無添加」と書いているまとめ記事もあり、情報が混ざったままになっている。
精肉売り場に10年立っていた立場から、2つの違い・値段・買える場所・切る厚さまで、公式の情報をたどって整理しました。
明宝ハムとは?岐阜県郡上市で70年以上続くプレスハム
明宝ハムは、岐阜県郡上市明宝にある明宝特産物加工株式会社が作るハムです。
使う肉は豚のもも肉だけ。1953年に始まった製法を、今も受け継いでいます。
プレスハムは「寄せハム」。ロースハムとの違い
プレスハムは、日本で生まれたハムの種類です。細かく切った肉を寄せ集めて固めて作ります。
ロースハムやボンレスハムは、ロースやももを大きなかたまりのまま使います。形を整える手間が少ないため、昭和50年代半ば以降はこちらが主流になりました。
対して明宝ハムは、手作業の多いプレスハムを1本ずつ作り続けています。肉の解体は人の手で行い、硬い筋や骨のかけらを目と指先の感覚で取り除くと公式が説明しています。
この筋取りが甘いと食感が落ちる。売り場でハムを扱っていたころ、安いプレスハムとの差はここだと感じていました。
「幻のハム」と呼ばれるようになった経緯
1980年、NHKの番組「明るい農村」で紹介されたことをきっかけに、全国から注文が入りました。
ところが生産が追いつきません。買いたくても買えない状態が続き、「幻のハム」と呼ばれるようになります。
今は全国へ流通していますが、この呼び名だけが残りました。
明宝ハムと明方ハムの違い3つ
明宝ハムと明方ハムは、名前が似ているだけの別商品です。もとは同じ1本のハムでしたが、1988年に分かれました。
読み方も違います。明宝は「めいほう」、明方は「みょうがた」と読みます。
違い1:作っている会社が別(1988年に分かれた)
1953年、岐阜県郡上郡奥明方村の農協加工所で「明方ハム」の生産が始まりました。村の畜産を盛り上げ、山間地の食生活を良くする目的だったとされています。
全国的に売れ始めた1986年ごろ、農協が工場を人口の多い八幡町へ移す方針を決めます。過疎化を心配した明方村はこれに反発し、独自に作る計画を立てました。
そして1988年、村が中心となる第三セクターを設立。農協からハム職人18人を迎え、村内で「明宝ハム」の生産が始まりました。
今は明宝ハムが明宝特産物加工株式会社、明方ハムがJAめぐみのの加工事業所という、まったく別の作り手になっています。
違い2:買える範囲が違う
明宝ハムは全国流通の商品です。通販のほか、東海地区のスーパーや高速道路のサービスエリアでも手に入ります。
明方ハムは、その多くが岐阜県内で流通する商品です。県外ではなかなか見つかりません。
岐阜のスーパーでは2つが並んでいることもあります。混同が起きるのは、そこが出発点でしょう。
違い3:内容量と副原料の組み立て
明宝ハムは1本360gです。明方ハムは2025年9月に400gから350gへ変更されたと、製造元の告知が通販ページに載っています。
原材料はよく似ています。どちらも国産の豚もも肉を主体にしたプレスハムです。
細かく見ると、明方ハムには「くん液」が入り、明宝ハムには砂糖が入ります。くん液とは、燻製の香りを付けるための液体のこと。副原料の組み立てがわずかに違う。
味の方向性にも差があるという声はありますが、公式が味を比べているわけではありません。食べ比べて決めるのがいちばん確実だと思います。
明宝ハムは無添加ではない|原材料表示のどこを見るか
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。明宝ハムは無添加ではありません。
「無添加」と書いているまとめ記事を見かけますが、公式の原材料表示とは一致していません。
豚くんえっ、無添加だと思って買ってた…。じゃあ体に悪いものが入ってるってこと?
ジョニーそういう話ではありません。添加物を3種類まで絞っている、というのが実際のところです。
使っている食品添加物は3種類
公式サイトは「使用している食品添加物はわずか3種類」と明記しています。調味料、リン酸塩、亜硝酸Naの3つです。
そのうえで、保存料・着色料・酸化防止剤・増量剤は使っていませんという説明も出しています。
増量剤とは、肉以外のものでかさを増やす材料のこと。価格の安いハムで使われることがあります。
つまり明宝ハムは「無添加」ではなく「添加物を絞ったハム」。この言い方のほうが正確です。
「発色剤(亜硝酸Na)」と書いてある理由
公式の商品ページには、原材料がこう並んでいます。
肉塊(豚肉(国産))、つなぎ(豚肉(国産)、でん粉)、食塩、砂糖、香辛料/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na,K)、発色剤(亜硝酸Na)。
亜硝酸Naは、ハムの色を保ち、菌の増殖を抑えるために使われる添加物です。食品表示のルールでは「発色剤」という用途名で書くことになっています。
使用量について公式は、「安全である基準値の1/2以下となるようにしています」としています。
売り場に10年立っていた立場から、ひとつ見方をお伝えしておきましょう。原材料表示は、スラッシュ(/)より後ろが添加物です。ここが短い商品ほど、使われている材料の数は少ない。明宝ハムは、かなり短いほうです。
明宝ハムの値段と内容量(2026年11月時点)
値段は時期や店によって動きます。ここでは2026年11月時点で公式サイトに出ている価格を基準にします。
1本360gの価格
公式の商品ページでは、1本360gで1,253円(税込)です。道の駅明宝の公式通販でも同じ価格が出ていました。
100gあたりに直すと約348円。スーパーのハムとしては高い部類ですが、原料が豚もも肉だけと考えると納得できる水準だと思います。
保存は冷蔵(10℃以下)。賞味期限は製造より64日で、開封後は5日以内が目安とされています。
栄養は100gあたり164kcal、たんぱく質18.9g、脂質8.6g、食塩相当量2.1g。もも肉が主体なので、脂質は控えめです。
ギフトセットの価格帯
化粧箱入りのセットも用意されています。2026年11月時点の通販の相場は、2本入りが3,300〜3,400円前後、3本入りが4,400〜4,500円前後でした。
ハムとソーセージを組み合わせた詰め合わせもあり、中身によって価格が変わります。送料の有無で実質的な負担も変わる。注文前に、内容と送料の両方を確かめてください。
ご当地ハムを通販で取り寄せるとき、送料込みでいくらになるかは意外と差が出ます。長崎の雲仙ハムで比べた記事も参考になるはずです。

明宝ハムはどこで売ってる?スーパー・SA・通販
「全国流通」と聞くと近所で買えそうに思えますが、実態は少し違います。
公式の取扱店舗一覧を見ると、ほとんどの店に「一部の店舗のみ」という注記が付いています。
東海地区のスーパーとコンビニ
公式一覧に載っているスーパーは、バロー、イトーヨーカドー、ヤマナカ、イオン・マックスバリュ、コノミヤ、カネスエ、ナフコ不二屋、オークワ、平和堂、ユニー系(ドン・キホーテ・ピアゴ・アピタ)です。
ただし多くに「東海地区の一部の店舗のみ」と書かれています。平和堂は岐阜・滋賀と北陸の一部のみ。
コンビニではファミリーマートとデイリーヤマザキが扱いますが、こちらも東海地区の一部店舗だけです。
東海地区の外に住んでいる場合、近所のスーパーで見つかる可能性は高くありません。
ジョニー「全国で売っています」と「どこでも買えます」は、売り場では別の意味なんですよ。
百貨店・サービスエリア・道の駅
百貨店も店舗が限られます。高島屋はJR名古屋・大阪・泉北・高崎・新宿・岡山、三越は栄と星ヶ丘。ほかに遠鉄百貨店、阪急・阪神百貨店、京阪百貨店の一部が載っています。
高速道路なら関SA、美濃加茂SA、ひるがのSA、大和PA、木曽川PA、一宮PA、長島PAなど。岐阜県内のSA・PAでも売られています。
郡上市明宝には直営の「めいほうミート店」もあります。旅行で近くを通るなら、ここがいちばん種類が多い。
東海以外に住んでいるなら通販が確実
遠方の方は、公式オンラインショップか道の駅明宝の通販、あるいは楽天・Amazonを使うのが現実的です。
冷蔵品なので、受け取れる日を指定しておくと安心です。
贈り物として食品を選ぶときの考え方は、カタログギフトを扱ったこちらの記事でも整理しています。

明宝ハムのおいしい食べ方|厚さは5〜8mmが基本
「まずい」という感想を見かけることがあります。読んでいくと、冷たいまま薄く切って食べたケースが目立つ。
切り方と温度で印象が大きく変わる商品です。
そのまま食べるのが公式のおすすめ
公式は「最もおいしく食べる方法はそのまま食べる」と書いています。製造の過程で加熱してあり、焼かずに食べる前提で味付けされているためです。
ポイントは温度。冷たいままだと、味も香りも分かりにくくなります。冷蔵庫から出して数十分おき、常温に戻してから切ってください。
添えるならマヨネーズ、醤油、七味唐辛子、鰹節あたり。公式は自社のトマトケチャップも挙げています。
焼くなら5〜8mm、ハムステーキは8〜10mm
切る厚さは5〜8mmが基本です。焼く場合も同じ厚さで、表面をあぶる程度に軽く火を入れます。焼きすぎないのがコツ。
ハムステーキにするなら8〜10mmの輪切り。常温に戻してから、弱火で片面ずつ焼き色をつけていきます。
なお最初に切るときは、包装の両端に金具があるため8mm以上で切るよう案内されています。
ハムカツ・電子レンジ・ボイル
ハムカツは8〜10mmに切り、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に付けて170℃の油で約2分。厚みがあるので食べ応えが出ます。
電子レンジを使うなら、5mm程度の輪切りを平らに並べ、ラップをふんわりかけて600Wで約30秒。
1本丸ごと温めたいときは、パッケージのまま70℃ほどのお湯で約10分ボイルする方法も紹介されています。
豚くん厚く切るだけで別物になるのか。うちはずっと薄切りで損してたかも。
売り場に10年立った立場から見たご当地ハムの選び方
ここからは、精肉売り場で10年働いた立場での話です。
ご当地ハムは、スーパーの中で少し特別な扱いを受けています。
スーパーの棚でご当地ハムはどう扱われているか
ご当地ハムは、ロースハムやベーコンの隣にはあまり置かれません。多くの店では、地場商品や土産のコーナー側に並びます。
理由は単価です。1本1,000円を超える商品は、毎日の買い回りの棚では動きにくい。だから「贈る・持っていく」文脈の棚へ移っていきます。
もうひとつ、賞味期限が64日という点も関係します。回転の読めない商品を定番棚に長く置くと、値引きの判断が増えてしまうためです。
置くかどうかは、結局その店の判断になりがち。公式一覧に「一部の店舗のみ」と並ぶのは、そういう事情の表れだと思います。
贈り物に選ぶときに見るべき3点
1つ目は温度帯です。冷蔵(10℃以下)の商品なので、相手が受け取れる日が読めないときは避けたほうが無難でしょう。
2つ目は本数。2本入りは、受け取る側が持て余しにくい量です。3本以上は、家族の多い相手や職場向けに。
3つ目は手間です。明宝ハムは切って食べる商品で、スライス済みではありません。包丁を使う前提で大丈夫かどうか、相手の暮らしを想像してみてください。
年末に肉のギフトを探しているなら、こちらもあわせて見てみてください。

よくある質問

明宝ハムについて、検索でよく見かける疑問をまとめました。
まとめ

明宝ハムと明方ハムは、1953年に同じ1本から始まり、1988年に別の会社へ分かれた商品です。
明宝ハムは豚のもも肉だけを使ったプレスハムで、1本360g・1,253円(税込・2026年11月時点)。添加物は3種類に絞られていますが、無添加ではありません。
買うなら東海地区のスーパーか通販。切る厚さは5〜8mmで、常温に戻してから。ここだけ押さえておけば、はじめの1本で迷わないはずです。




