豚くんクリスマスにローストビーフを作りたいんだけど、スーパーのどの肉を買えばいいの?
ジョニー赤身の塊なら大体うまくいきます。ただ、同じ「モモ」でも当たり外れがあるんですよ。
ローストビーフは、肉の焼き方より先に「どの塊を買うか」で仕上がりの大半が決まります。
ところがレシピを調べると「モモ」「ランプ」「ヒレ」と部位名だけが並び、スーパーの売り場で実際にどれを取ればいいのかまでは書いてありません。名前が一致しないことも多いです。
この記事では、精肉売り場で10年ブロック肉を切ってきた立場から、スーパーで現実に買える部位5つと、パックの前で見るべきポイントをまとめました。
ローストビーフに向く肉の3つの条件

部位名を覚える前に、条件を知っておくほうが早いです。この3つを満たしていれば、部位名が違っても失敗しません。
条件1:赤身が多いこと
ローストビーフは、焼いたあと冷ましてから切ります。脂は冷めると固まって舌に残るので、サシの多い肉はかえって重たくなります。
ステーキなら歓迎されるサシが、ローストビーフでは邪魔になる。ここが直感と逆なところです。
条件2:厚みのある塊であること
薄い塊は、中心が生の状態を保てません。表面を焼いている間に中まで火が入ってしまいます。
目安は厚み5cm以上、重さ400g以上。これより小さいと、ロゼ色に仕上げるのが一気に難しくなります。
条件3:形が整っていること
片側が細くなっている塊は、細いほうだけ火が入りすぎます。切ったときに色がバラバラになる原因です。
売り場では意外と見落とされますが、断面がそろった四角に近い形を選ぶだけで仕上がりが安定します。
スーパーで買えるローストビーフ向きの部位5つ

ヒレやサーロインを挙げる記事は多いのですが、あれは一般的なスーパーの棚には塊で並びません。ここでは現実に手に入るものだけを挙げます。
①ウチモモ|いちばん出回る定番
後ろ足の内側の部位です。もも肉のなかでは柔らかく、塊が大きく取れるため、「ローストビーフ用」の札が付くのはたいていこれです。
迷ったらこれで問題ありません。値段も手ごろで、失敗の幅がいちばん小さい部位です。
②ソトモモ|安いが少し硬い
同じもも肉でも外側です。よく動く部分なので、ウチモモより繊維がしっかりしています。
そのぶん安いので、薄く切ることを前提にするなら十分使えます。厚切りにすると硬さが出るので、そこだけ注意してください。
③ランプ|赤身でいちばん柔らかい
腰からお尻にかけての部位で、赤身のなかではきめが細かく柔らかい部類に入ります。
ただ、塊で置いている店は多くありません。見かけたら買っておいて損はありません。
④シンタマ|形がきれいで火が入りやすい
もも肉の前側にある、球状の部位です。名前のとおり丸い形をしているので、断面がそろいやすいのが強みです。
「マルシン」と表示されることもあります。同じものだと思って大丈夫です。
⑤肩ロース|コクは出るが脂が多め
赤身のなかでは脂が入りやすい部位です。冷めたときに脂が気になる可能性はありますが、そのぶん味は濃く出ます。
赤身だけでは物足りないという方に向くのが、この肩ロースです。
部位5つを表で比べる

売り場での見つけやすさも含めて並べると、こうなります。
| 部位 | 柔らかさ | 脂の量 | 値段 | 売り場での見つけやすさ |
|---|---|---|---|---|
| ウチモモ | ◯ | 少ない | 普通 | ◎ よくある |
| ソトモモ | △ | 少ない | 安い | ◯ ときどき |
| ランプ | ◎ | 少ない | やや高い | △ 少ない |
| シンタマ | ◯ | 少ない | 普通 | △ 少ない |
| 肩ロース | ◯ | やや多い | 普通 | ◯ ときどき |
手に入りやすさで選ぶならウチモモ、味で選ぶならランプ。この2つを覚えておけば、売り場で迷う時間はかなり減ります。
パックの前で見るべき3つのポイント

同じ部位名でも、パックごとに当たり外れがあるんです。ここを見ておくと精度が上がります。
厚みと形をそろえる
棚に2つ並んでいたら、厚いほう、そして角が落ちていないほうを取ってください。
ブロックは端に行くほど細くなります。端材に近いものは安く出ますが、火の通りがそろわないので、ローストビーフには向きません。
パックの底のドリップを見る
ドリップとは、肉から出た赤い汁のことです。底に多くたまっているものは、温度が上下した可能性があります。
うま味も一緒に出ていっているので、少ないものを選ぶのが基本です。
「ローストビーフ用」の札は目安にすぎない
あの札は、売り場の人間が用途を提案して貼っているものです。規格で決まっているわけではありません。
札がなくても条件を満たした塊なら使えますし、逆に札があっても薄ければ向きません。最後は自分の目で厚みを見てください。
部位ごとの柔らかさの違いをもっと詳しく知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

ローストビーフに向かない肉

安いから、良い肉だから、という理由で選ぶと外すことがあります。
スライス肉・切り落とし
当然ですが、厚みが出ないので中心を生に保てません。安く見えても、この用途では代わりになりません。
サシの強い高級部位
A5のサーロインやリブロースは、ローストビーフにすると脂が勝ちます。高いお金を出したのに重くて食べきれない、というのが一番もったいないパターンです。
せっかくのサシは、ステーキかすき焼きに回したほうが生きます。
豚くんいい肉を買えばいい、ってわけじゃないんだね。
まとまった量を安く買いたいなら、コストコの塊肉も選択肢です。

よくある質問

解凍の手順を詳しく知りたい方は、こちらでまとめています。

まとめ

ローストビーフ用の肉は、赤身が多く、厚みが5cm以上あり、形が整っている塊を選べば外しません。部位で言えばウチモモが定番で、見かけたらランプが当たりです。
逆に、サシの強い高級部位は冷めたときに脂が重くなります。良い肉を買えばうまくいく料理ではない、というのがローストビーフの面白いところです。
売り場で迷ったら、まず厚みを見てください。そこさえ外さなければ、あとはなんとかなります。




